相棒トリビア「中学生右京のミステリー小説」
相棒4第8話「監禁」に登場した、右京が中学生のころ書いたミステリー小説。 画面に10秒ほど映し出されたその文章を打ち出してみました。意外に、これまでネットに掲示されたことがないみたい(笑)。 ドラマ制作の一端がうかがえる興味深い資料です。
© テレビ朝日/東映
「亡霊たちの咆哮」杉下右京
キャッチコピーは「新進気鋭の中学生作家の傑作ミステリー」
大尉が殺されたことを知った時、私は全身に寒気を感じていた。
あれからもう5年経った。月日は移ろいあの戦争について語ろうとする者も少なくなってきている。
私はあの事件の後、刑事になっていた。たまたまそうなってしまったのだ。ある勇敢な軍人に会うことがなかったら、おそらく刑事にはなっていなかっただろう。
わたしは東北にある、帝南大学の法学部を卒業すると故郷に戻り、関東新報の新聞記者として働きはじめた。そこには二十人の新聞記者がいて、当時としては活気に満ちた職場であったといえる。仕事内容は主に地元で起きた事件や事故の取材、とはいっても田舎町の新聞記者であるが故、殺人などの血生臭い事件等は起きる事もなく、たまに起きる道路事故や傷害事件の取材がメインであった。いつかは新聞記者を経て県議員にでも立候補し、ゆくゆくは国会議員でも目指そう(ここまでが右ページ上段)
かと思い、農道で起きた轢逃げ事件や高校生同士の喧嘩の取材を続けていた。
そんなある日だった。一人の男が新聞社にやって来た。男は石田と名乗り殺人事件についての情報を提供したいとの事で記者との面会を希望したのであった。その日は丁度自分以外に話を聞ける人間がいなかったのと殺人事件のスクープで功名心をあげたかった事が重なり、自分が石田という男と話をしてみることとなった。男は私が会議室の椅子に座るなり、私に対し「今から話す事は私とあなただけの秘密にして欲しい事件がもし解決すれば、その後記事にするのは自由だし、あんたがご利益を受けてもいい」と話しかけてきた。「私にとってご利益かどうかはわからないですが、その殺人事件については私が責任を持って取材しますし、その間他の人間にも取材の事を話しません」というと、男は納得した様子で話始めた。「わかった、まずこういう事はちゃんとしておかなきゃまずいと思ったんだ、その殺人は山荘で起きたんだ。死体もまだあるだろう、事件(ここまでが右ページ下段)
が起きて一週間も経っていないし、かなり温度も低い場所だ、腐乱なんかもしていないだろう」その話は私にとってはかなり胡散臭いと感じたが、もしこれが事実であった場合の事も考え、しっかりと相槌をうっていた。「金絡みのトラブルだったんだ。正確にいうと、金塊だが、こいつのせいで5人が死んだ。自分はそいつらとの殺し合いで一人生き残ったというわけだ」今までは気にしていなかったのだがその男の顔には傷があり(これ以降は前文のコピペ)
相棒4第8話「監禁」ネタバレ 佐藤江梨子が相棒に初出演
後ろ手にイスに縛りつけられた亀山。 大きな窓から月明かりの差し込む半地下の廃屋に、とつぜん着信音が鳴り響く。闇の中から現れた、およそこの場所には不釣り合いのオシャレな服装の若い女(佐藤江梨子)が、亀山の胸ポケットからケータイをとりだした。 そして床に置くと、ハンマーを振り下ろして叩き壊す。
解説 ※個人の感想です
見開きページのつくり
誰もが読むであろう冒頭と、画面に大写しされる右ページ下段は、それっぽい文章が書いてありますが、途中から句読点や改行があやしくなって、詰め詰めの読みにくい文になってきます。左ページ上段の中ほどからは、前の文がコピペでくり返し貼りつけられ、とりあえず字で埋めて体裁だけ整えられています(笑)。
作家としてのこだわり
中学生といえど、作家を志す者なら文体にこだわりがあると思います。 そういった点で「私」と「わたし」の混在にとても違和感がありました。 特別な意図なく、一か所だけ「わたし」と書くようなことは、右京さんならしないでしょう。同じようなことが「事」と「こと」にもいえ、「時」の表記も気になりました。
硬い文章を目指して故意に「事」「時」を使用したのかもしれませんが、文章を書くのに慣れた人は「こと」「とき」とかな書きすることが多いように思います。
ネット警察
以上のようなことを書いていると、「○○警察」とよばれてしまうでしょうか?(笑)正論を振りかざした発言で、制作者を委縮させたり、ストーリーの勢い/持ち味を殺す変更を強いたりする輩をさしていうそうです。
個人的にはわずか数秒のために、ちゃんと小説らしきものをつくってくる制作陣はすごいな、と(笑)。
n4v&rec 予想
相棒4第8話本編で、右京さんが犯人のトリック(金庫の開錠方法とは無関係の和歌を扉に貼りつけてミスリーディング、中には金塊などない)を瞬時に見破ったのは、こういうことだったんでしょうか。かけつけた現場の状況が、「刃桜」から連想される自身の小説内で起きた殺人事件(人里離れた山荘で起きた金塊をめぐる殺人事件)の概要とほぼ一致していたことから、小説内の事件を模倣したでっち上げと看破。 でっち上げた動機も「金に目がないミサエを引き留めておくため」だ、と。
相棒4第8話「監禁」ネタバレ 佐藤江梨子が相棒に初出演
後ろ手にイスに縛りつけられた亀山。 大きな窓から月明かりの差し込む半地下の廃屋に、とつぜん着信音が鳴り響く。闇の中から現れた、およそこの場所には不釣り合いのオシャレな服装の若い女(佐藤江梨子)が、亀山の胸ポケットからケータイをとりだした。 そして床に置くと、ハンマーを振り下ろして叩き壊す。
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